電子工学科 3年 黒川陽平,山本駿佑
・可変電源回路とは
電源には交流と直流があり,世の中の電化製品に供給される電気はこの2種類から成り立っている.交流はコンセントから供給される.直流は電池から供給される.今回製作する可変電源回路とは,直流の電源を自由に変えられる回路のことである.
今回の実験では,直流を可変(自由に値を変える)する回路を製作する.
図1 可変電源回路
・今回用いる部品一覧
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ヒューズ
ヒューズとは一種の「安全装置」で,機器に影響が出る程の大きな電流が流れると自ら壊れて電流をストップしてくれる部品である.決められたアンペア数以上の電気が流れた時にだけちぎれて回路を守ってくれる.
図3 ポリスイッチ 図2 ヒューズ
・スイッチ
ONとOFFを電気的に切り換える部品である.
図4 スイッチ
・コンデンサ
コンデンサは電気を蓄えたり放出したりする電子部品である.直流を通さないで絶縁するはたらきもある.
図5 積層セラミックコンデンサ 図6 電解コンデンサ
抵抗
抵抗は電気を流れにくくする電子部品である.
流れる電気の量を制限したり調整したりすることで.電子回路を適正に動作させる役割をもつ.
図7 抵抗 図8 可変抵抗
LM317
今回用いるICは,電源ICのLM317.よく使われる3端子レギュレータの電源ICである.3端子レギュレータとはその名の通り3つの端子を持つ電子部品のことで,トランジスタもそのうちの1つである.LM317は入力電圧を降下させて安定した出力電圧にしてくれるICである.
図9 LM317
電源
先ほどの説明とかぶってしまうが電源には2種類ある.交流と直流である.交流はコンセントから供給され,直流が電池から供給される.スマートフォンの充電などに使われるACアダプタは電源を交流から直流に変換している.ACアダプタをよく見ると,直流の出力電圧と出力電流が書かれているのがわかる.
図10 ACアダプタ
可変電源回路の動作
①コンデンサの役目
コンデンサC1はバイパスコンデンサとしての役割を果たして,今回の回路の場合は,発振を防止している.発振とは何もせずに自分から振動を起こし,周波数を持ってしまうことである.
コンデンサC2も同様にバイパスコンデンサの役目をしていて,発振防止用である.電解コンデンサの方が低周波の発振を防止し,セラミックコンデンサの方が高周波の発振を防止している.
②レギュレータの役割・原理
簡単に言えば,「出力電圧によって自動的に変化する可変抵抗」.レギュレータ内部の抵抗の大きさが自動的に変わることで、レギュレータを通過したときの電圧降下の大きさも変化する.この調整を自動的にやってくれるため,常に一定の電圧となるように働く.
レギュレータの実際の動作
②抵抗の役目
抵抗R1,R2は,目標の電圧値を出力するために用いられている.可変抵抗で抵抗値を変えて電圧を自由に変えることができる.
③ヒューズ
過電流を抑えるために用いられる.
実際に作ってみよう!
手元に配ってあるプリント基板・部品を、
ハンダごてを使ってはんだ付けしてみよう!
図12 プリント基板の実装完成図
図13 プリント基板の部品配置図
write by 山本、黒川
挿入する抵抗のけいさんほうは?
出力電圧Voは Vo = Vref(1+R1/R2)+IAdj*R1 = 1.25(1+R1/R2) + (50*10^-6*R1) ≒1.25(1+R1/R2)となります